朧月夜と春の海

本の記録 学習ノート おもしろかった事 その他   

『庭と花の手帳』別冊暮らしの手帳 2001年度版

〈2001年3月1日発行  臨時増刊号通巻307号 〉

○季節によって表情をかえる庭と手入れ

○ランはおもしろい ○夫婦で楽しむ家庭菜園

○薔薇物語 ○屋上とベランダのリフォーム

○盆栽へのいざない ○病害虫の予防と退治法

 

 園芸家の本を読むのは、好きである。

 子供のころは、庭や家の想像をするのが好きで、想像の世界の中にたくさんの種類のそれらがあった。現実の家の写真を見るのも好きで、細部までいろいろ詳しく想像して楽しんでいたが、やはり子供のころなので、そこにある植物は、木であり、具体的に木を思う時はアラジンの魔法のランプにでてきた宝石で出来た樹木や、オズの魔法使いにでてきたお弁当のなる木や、その他現実ではありえない不思議な都合のいいような、とても素晴らしいような様々な植物を自由気ままにいろいろ思うことができた。生きていた時間より、生まれる前の時間のほうがはるかに身近なころだったので、生まれる前の世界というのは、もしかしたらそういう心のままのきれいな不思議な世界だったのかもしれない。

 最近は、あまりそういうことも考えなくなって久しくなり、普段植物を育てることもないのだが、現実の植物の育て方などを時々読もうかなと思っている。本を読んでいると、知らない植物や、薬の名前が出てくるので、本をたくさん読んでいるうちに抵抗がなくなってきて、少しずつ知識が蓄積されていったらいいなと思う。以前、植木市に来ていた今どきの若い恋人同士に見える二人を、実際にか、テレビでだか忘れたが、見たときに、そう派手でもない地味な緑の植物をあれこれ熱心に楽しそうに選んでいて、意外に思ったが、そういうのはなんだかいいなあを思える様子だった。植物を見て、さまざま名前や特徴を覚えていったら、山は緑の植物でおおわれた山ではなくなり、草は名も知らない草ではなくなり、花もきれいなだけでなく、よく知ることができたら見え方が変わって素敵だろうと思う。私は、植物の名前も、星座の名前も覚えるのが苦手で、なかなか難しいのだけれど、世話をするのも大変だけれど、園芸家の本を読むと、いつか作る庭を考える。

 この本は、実際につくっている人の、親切で具体的な愛情のこもった話がいろいろありました。いちごを作ろうというページで、親株から伸びるランナーが初めに根付いた株を太郎苗と呼び、さらに伸びて増えていくごとに、次郎苗、三郎苗、四郎苗と呼ぶこと、ほかのページではカタツムリなどは、ビールが好物であるというのがおかしかったです。