朧月夜と春の海

本の記録 学習ノート おもしろかった事 その他   

『45分でわかる!14歳からの世界金融危機』

 2009/2/26 著者 池上 彰  マガジンハウス

サブプライム問題が起こってから、オバマ大統領就任まで。その間に吹き荒れた、原油の高騰暴落、円高、金融危機・・・、この一冊を読めば、45分でそのすべてがつながってスッキリ理解できます。タイトルは“14歳”としていますが、ビジネスマンの方もぜひ! ここ数年の世界経済を一つの体系として、シンプルに理解できる内容になっています。いま起きているのは「世界恐慌」/大原則は「リスクは他人に押しつける」/格付け会社が安全だって言ったから・・・/まぜれば安心、金融商品の「福袋状態」/実のところ、闇鍋だった・・・/第三次世界大戦とイラン/原油先物市場とガソリン価格の関係/共和党政権だったことがリーマンの不運/世界中が、円で住宅ローンを組んでいた/なぜ原油は高騰して暴落したのか?/ドバイはもはや、砂上の楼閣/地方銀行に融資申し込みが殺到している/景気の悪いときだけ大声をあげる産業界/史上最低の大統領ランク、ついに変動/オバマの手法はルーズベルトにそっくり・・・というわけで、私たちはどうすればいいのか? その回答も示されます。45分で世の中がスルスルわかる、Magazine House 45 Minutes Series の第一弾です。 」 

 普段耳にしていてもよくわかっていなかったことや、専門用語について、たとえが豊富でとても分かり易く解説されていました。

 サブプライムローンから始まって、「債権の証券化」、「合成債務担保証券」をパッケージ商品と表現し、「福袋」だと思ったら「闇鍋」だったなど。「風が吹けば桶屋が儲かる」の世界版を教えてもらったようで、大変勉強になりました。ちゃんと理解しようとすると、繰り返し読んだほうがよさそうです。

 

 

「日本の場合、毎年夏ぐらいから、まず一番信用のある電力会社が債券を発行します。東京電力や関西電力が社債を発行して資金を集めます。電力会社は発電所や送電線などの施設のメンテナンスのためにいろいろとお金がかかります。そのためにお金を借りるのです。このときに、銀行からお金を借りるよりも、社債を発行して一般の人に買ってもらったほうが金利が安くて済むのです。

 毎年夏にまず絶対に倒産する恐れのない電力会社が社債を発行することで、金利基準が決定。その後、その水準よりやや高い金利で、他の大手優良企業の社債の発行が決まります。

 ところが、電力会社ですら、社債というだけで一時は発行が危ぶまれたのです。カリフォルニア州と同じ事態になったのですね。」

 株価を意識するようなことがほとんどなかったのですが、今年の夏はどうなるのかなと思いました。この本は2009年の発行なので、それからの本を読んでみたいです。