朧月夜と春の海

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『ニッポン幸福哀歌(エレジー)』

2006/7/25  著者 水木しげる  角川文庫

「珍しい水木しげる民話を再編集!キミの知らない水木まんがかココに!
水木しげる現代社会を痛烈に風刺した短編集。昭和44年に刊行されて以降、誰も見たこともない作品が多数収録。コレクターにとっても目が離せない貴重な短編の数々が一堂に!

追いかければ追いかけるほど逃げていく「幸福」とは如何なるものか?幸福観察学会を主宰し、幸福の本質を探りつづけている水木しげるが描く、「幸福」にまつわる20の物語。幸福を夢見るあまり、哀しみを味わう人間たちの姿は、いつの世もかわらない。人生の達人、水木しげるが贈る珠玉の短編漫画集。人生の教科書がここにある。初文庫化作品「一つ目小僧」「役の行者」「打ち出の小槌」「時の神」など11編を含む20編を収録。 」

 時々、妖怪のほうがまともに生きているなと思いながら読みました。「一つ目小僧」という話に、一つ目の妖怪に出会い語るには「人間の目は二つだから三次元の世界しか見えない これが一つ増えて3つになれば4次元の世界 つまり未来がみられるのじゃよ」と言われ、3つ目になり、やがて「一つ目になれば子供(ジャリ)のように現在(いま)しか見えないのだ こうして生きている今だけ」「なるほど 子供のときは考えてみれば楽しかった それに人間が本当に生きているのは今だけだ 猫や犬も人間ほど心配してはいないようすだ…」 そして、一つ目の仲間入りをした男の人がいました。子供と大人の違いは、いろいろあるだろうけれど、そうだなと思いました。