東尋坊 2019/2/24
翌日です。朝、手紙を書き上げてしまいます。
なんだか既に今日の仕事を終えたような気分です。
良い天気です。バスで東尋坊へ行きます。予定はそれほど詰め込んでいないし、のんびりした感じです。
お土産物の並ぶ道を通り、海岸に出て視界がひらけます。
思い描いていた火曜サスペンスドラマの舞台も、冬の日本海の荒浪も今日は休業中のようです。
岩の淵あたりに近づいて写真をとります。
海のそばまで行ける場所があったので降りてみました。途中自殺防止のメッセージカードなどが貼ってある場所がありました。
降りてみると、小さな波が時おりたぷんと流れてきて、仕方がないなあ特別サービスだとでも言いたげにたまに大きな波がやって来て白波をたてるような時は、遠くを遊覧船がのどかに進んでいくのか見えました。まるで五月の連休中の瀬戸内海の様です。
大勢の人が大きな輝石安山岩の上にいます。淵のそばまでいく人も。
東尋坊から見えていた赤い橋の架かった雄島に移動します。
大湊神社の鎮守の森で、神社があります。
入口付近におみくじがあり引きます。良い結果でした。
島を一周してみたかったのですが、神社までいきました。
ちょうど東尋坊が眺められる場所があります。
雄島にまつわる怪談も読んできているので回る方向とか意識してしまいます。この日は良い天気で怖い感じは全然なかったのですが。橋から海を眺めます。海中はよく見えるのに海草が海を覆いゆらゆらして底が見えないので怖い想像が広がりあわててまわりを見渡します。写真を撮っている時はそんなことは忘れていて水がきれいだな、魚がいるかなとみていたのですけれどね。
遠くまで海が見渡せました。
午後からは鯖江に移動します。なんとなく同じ目的地に向かうのだろうかと思われる人達も増えていきます。
宿の近くの駅におります。近くと言ってもまあまあ遠いです。最後にようやく当選して会場から近い便利そうな探せる場所は既に埋まっていたので、東尋坊からのJR便の駅からは離れています。降りてバス停があったのですが、休日運休です。事前に知っていたけどちょっとがっかりして歩いていきます。旅先で長距離を歩くのはお遍路で慣れているし苦ではありません。コピーしてきた地図で迷っても検索したら直ぐわかるのがすごいなぁと思います。宿が見えてきて、ひと安心です。そんなにのんびりしていたとも思わないのにいつの間にか時間がせまっていました。
会場までの鉄道は既に空いていて、同じ目的地らしき人は、いくのが遅れたらしい地元の男の子の二人連れくらい。
駅に降りたら、私の地図とは違う方向にその子逹が駆け出し、いくら方向音痴でもここは自分を信じた方が良いだろうと付いていかずに歩いたいたら、再び駆けて追い抜いて行ってしまいました。会場が見えてきても一向に距離が縮まらずどうしたものかと思っていたところ近所の方に尋ねて教えていただくことができ、私のグーグルマップではお勧めされてなかった道を通り遅れずに到着することが出来ました。
電子チケットってこんなのなのねと受付を済ませ無事手紙をボックスに入れることが出来ました。入れたときはあまり入ってなかったけれど、回収直後ぐらいだったのかも知れないし、本人にちゃんと渡るのか読んでもらえるのかもわからなかったけれど。
それでも始まった時になんか吹き出しそうな感じだったから勘違いでもなんでも読んでもらったんだろうと思い込み、最近になって迷える羊、その返事か知らん?とおもってもいいのかな…とおめでたい頭で思ってみたりしています。どう思おうと想像する分には自由なわけです。
2019年の1月6日に占いを申し込んでみました。年末からお正月くらいまでずーっと思うところあって考えてて、それでその頃ある占星術のブログを読んでいたら『マドモアゼル愛』の名前が出てきて。私は趣味で占星術をしているので、そういうブログもよく読ませていただいているのですが、昔、まだ十代の頃に恒星占星術のコンピューター占いに申し込んだことがあり、節目に読み返していたのですが、ある年齢までの占いで、思い返せば当たっていた、助けになったと思い、依存するわけではないけれどこの先の未来が気になって検索したところ、同じような占いがあり、再び続きを読むことが出来ました。いくつかの種類を申し込み、個人的に誰かとのことを占ってみたことはあっても、正確な生年月日ですごいなぁと思っているプロの占い師にコンピュータ占いのだけと個人との相性やその他を占ってもらったことは初めてだったので、どんな結果か大層どきどきしました。
私が占ってみてもらった人は、その人を連想した時にまず思い浮かんだのは、一緒にご飯を食べているシーンでした。特別でも何でもなくて、ごくごく普通の日常のです。
占いの結果は思いの外、想像以上に良くて、不安になったときについ癖で引いてしまう占いでたまたま出て来たメッセージの『金の雲に乗って運ばれてきた宝物ような存在』と言うのにほんとうにそうだなぁと思ったのですけれど、月土星スクエア持ちの私にとって、つい逸れそうになる幸運の方角への舵取りの指標になるようなアドバイスが書かれていました。
個人との相性を占ってもらったのは正確な生年月日ではなかったけれど、20代の前半ごろにも占い師に占ってもらったことがあり、思い返せばそれも私にとってはとてもあたっていて助けになりました。きっと霊感で占ったのだろうと思いました。
まだ、その頃は付き合いのあった女友達につれていってもらって、一緒に興味本位でみてもらったのですね。
今年のお正月は近所のお店の福引で運試して、狙っていたのではなく、家にあるから当たっても困るな、でも当たりそうだなと予感がしていた、行く時間が遅くなって、もう余り残ってない当たり商品の炊飯器が待っていたようにやっぱり当たったので地元の神様のご祝儀かしらと何かの報せかなと感じたわけです。当たるかな。当たるといいな。
会場はお祭りの行われている夜の鎮守の森のようで、その中心から離れた森の辺縁にいるような私の位置までは、間近で見る舞台の迫力も熱気も遠くに感じて、噂に聞く舞うテープもレモンの香りもシャボン玉もわからなかったけれど、後から他の大きな会場の様子を知るにつけ、この位置でも随分近くで見られたのだなと知りました。
終演後、紅白歌合戦の演出で使われた傘のオブジェがあり、記念撮影ができるようになっていたので列に並びます。会場から出ると、すでに人はまばらで、昼間の物販の列も嘘のようでした。
このときから何か月後かだろう時間がたって、あるとき出来てからからずいぶん経つのに相変わらず仮店舗のように感じる文房具屋さんでいろいろ見ていたら、「大人の交換日記」という商品があり、誰にでもいつか訪れる終わりの時間に、順当にいけば差があるから、もしもそういうことをしていたら、楽しいことだけ書いていけば、そうでもなくても、その日記を開いたらその時の時間が甦って寂しくないねと夢想したのでした。
人影もまばらになってしまい、ようやく駅に着き帰る人たちも見かけます。宿に帰ってからはこちらでも温泉に入りました。
福井 永平寺 2019/2/23
車窓から明治チョコレートの巨大看板が見えてきました。
始発のJR 大阪7:40発 金沢行 福井9:36着のサンダーバード5号に乗ります。今回は2/24にサンドーム福井で行われる『脊椎がオパールになる頃』のライブに行きます。大阪駅で到着を待っているうちに予約席に列ができている状態だったので座れるかなと思ったのですが、天候も問題なく土曜日の始発だったためかまだ人はまばらで大丈夫でした。
車内放送で名所案内のアナウンスがありました。右、左と景色を眺めます。
湖西線 琵琶湖が見えてきます。 近江八景 比良の暮雪? 冬の北陸の気候が想像がつかなかったので、色々検索して調べます。足元は十分注意して、雪で滑らなないもので暖かくしていったほうがいいかなとか、冬は海の食べ物がおいしいとか。冬の東尋坊の写真は吹雪で視界が遮られ、辿り着くのも大変そうです。この日は永平寺に行きます。『ファンシィダンス』の映画をテレビで見て以来、いつか行ってみたいと思っていた場所です。映画は、一度見た後に何度も見ることはほとんどないのですが、この映画だけは別で、テレビで録画したものを何度も見て、ずいぶん後になってからDVDでも見ました。CMの切れた部分が入ってないのが新鮮で、でも、違和感も感じつつ。村上春樹の小説でレコードのぷつぷつと傷の入った部分も何度もきいてきてその作品の一部になっていたシーンのように、その部分もしみ込んでいたようでした。
福井に到着です。平均的な気候は知らないのですが、思いのほか暖かいようです。バスに乗って永平寺へ行きます。名物ソースカツ丼とおろしそばをお昼にいただきました。会場の様子はどんなかなと検索します。毎日どんな様子かなと感想を読んで楽しんでいました。歩いて永平寺まで行きます。
到着です。映画の撮影されたのは別のお寺と知っていたのですが、随分と違う感じでした。
傘松閣(さんしょうかく)の「絵天井の間」です。
磨きあげられた廊下です。映画では雲水が廊下を雑巾がけしているシーンもありました。今回の旅のお供は『貧乏お嬢様、駆け落ちする』英国王妃の事件ファイルシリーズ10巻と、『ファンシィダンス』の映画のエンディングだったプリンセスプリンセスの``恋に落ちたら‘‘の入った『LOVERS』のアルバムです。どちらもその時の私の気持ちにぴったりの作品でした。ずっとリピートしながら聞きながら歩いていました。
修理中のようでネットの向こうに承陽殿(じょうようでん)があります。
行鉢が始まるようです。映画のシーンが思い浮かんでにんまりします。初めて映画を見たのは永平寺に拝観に来ていた女学生役だった西村知美がまだ随分お姉さんに見えていたころで、あれから年月が経ったけれど、やっぱり今もそんな感じが残ってて映画の中の登場人物は遥かな憧れという気もします。承陽殿は道元禅師を奉祀する御真廟で、その前にある香炉です。
法堂です。庭に少し雪が残っていました。今回持って行った本より先に読んだ『貧乏お嬢様 イタリアへ』(事件ファイル11 ジョージーはイタリアへ渡り、そこで王妃さまから与えられた任務をさっさと果たして、出産間際の親友のもとへ駆けつける……はずだった。ところが、各国の要人が集まる大豪邸で殺人事件に巻きこまれ、足止めされてしまい……!?)では、主人公のジョージーが、最後のほうの場面でヒトラーが台頭してきたころのドイツ軍の青年に純情な恋心なのかハニートラップなのか結局よくわからないままに迫られる場面があるのですが、ジョージーは普通の人間の良さを持ったお嬢様なのでその時に「相手のことをよく知って好きになってからじゃないと、そういうことは女性は嫌がるのよ。」というようなことを伝えるのですが、なんていうかそういう当たり前のことがないがしろにされているのではないかと思うこともあり、特にテレビやメディアでは、疑似的に体験してそのつもりになっても、あるいはそういう感情を利用している面もあるのかもしれないけれど、それは大事であることは変わらないというような。
中雀門が見えます。 大庫院の巨大な擂粉木です。
『LOVERS』のアルバムも、随分後になってから何年か前に気になって探して聞き始め、``恋に落ちたら‘‘の歌詞の内容は当時は自分自身にはぴんと来ないままに好きな曲だったけれど現在は、アルバムを通して聞いて理想の部分もあるけれど、不恋手術でも受けたのかなと思うような長年凍結したままの私の恋心が解凍されたかのように聞いていました。
私がその人を知っているのはわかるけれど、どうしてその人が私のことを知っているのか理解できない状況のなかで、あとからとんでもない幸せで全てが帳消しになったとしても、だけどやっぱりそんなことはしてはいけなかったし、なければ良かったと思う。そうではない現実が選べたら私はそちらを選ぶとおもう。
私のリアルなジョージ-の年頃は茨木のり子の『わたしが一番きれいだったとき』が近くて、よくわからない何かから誰かから捕まらないように見つからないように必死で逃げ回っていたような気がする。
時間は戻らないから、嘆いたところで仕方のない私個人のカルマやダルマみたいなもので死んでからわかることなのかもしれないけれど。
映画のなかで見た時を知らせたりする合図の木槌があったりして、薄くなった文字に今も受け継がれて使われているものだろうかと思ったりします。
お土産売場では永平寺のお線香が売られています。瓦の修復の寄付を受け付けています。冬は雪深い場所なので重みで傷むそうです。
やはり今年のこの季節は例年になく暖かいのかもしれません。このところ、お寺にいったときに線香を買う機会があれば購入しているですが、宗派によってそれらしい匂いであるなと思いました。
竜門です。
参詣を終えてバス停まで戻ると、今夜の宿泊予定の東尋坊まで乗ります。
途中でバスの車窓から丸岡城が見えました。
平成最後の米騒動とか、ライブの長い長い物販の列の様子なども気にして時々チェックします。
部屋に入ります。日本海が一望でき、刻々と色が変わる晴れた空と海が美しいです。
夕食は越前がにも食べられてバイキングも楽しめるプランです。なんだかカニとは私のよくわからないところでわだかまりのようなものがあるのかもしれませんが、冬の越前にきてカニを食べずに帰るのはいけないだろうと美味しく頂きました。地酒もと梅酒を頼んだのですが蟹とは違う感じだったのでビールも頼みます。普段はほとんどお酒は飲まないのですが、旅に出たときぐらいはと飲む感じです。温泉にも入り寛ぎます。
明日は会場にプレゼントボックスがあるそうで手紙を渡そうとレターセットを持ってきているのです。頭のなかでは既に何度も書いているのですか、書いてこれずまだなのです。明日に迫り、場所や建物とは関係のない睡眠妨害がきつい日でごろごろしながらなかなか寝付けない夜でした。
2020/3/16~3/31
3/16 ふわふわの小さな雲の花ゆすら
3/17 寒暖の間で揺れる雪柳
3/18 そういえば綿のような春の雲
3/19 道の先赤い特大春夕焼
3/20 お彼岸の民家の増える墓参り
3/21 今日からは少し厚着で春コート
3/22 春めきて古本整理一箱分
3/23 火に油注いで起きる雪崩かな
3/24 春憂いどもまでいってもこりゃねぎだ
3/25 焼き芋をアルミから出し聞く延期
3/26 仲春や休日待機テレビ前
3/27 芽あじさい一度だけ花つけた鉢
3/28 書き留める風説の流布春の塵
3/29 春の空何度目になる買い直し
3/30 消費税予想を超えて三月尽
3/31 お遍路さん初花の門くぐりゆく
2020/1/16~1/31
1/16 冷凍庫出された干し柿冬の夕
1/17 白い星空き地を埋める野水仙
1/18 何度目の当落確認寒の内
1/19 来月の予定大波続く冬
1/20 大寒や落ちこみ誘う気のゆるみ
1/21 星冴ゆる国境超えて響く歌
1/22 切干や前より細く切られたり
1/23 裏側の大火事つながる暖冬
1/24 湯たんぽの水コポコポと夜が更ける
1/25 錆びついた文法リスト入れる本
1/26 柑橘の姿をかえて巡る味
1/27 ニョロニョロの集まりそうな春の雷
1/28 はね散ってじっとみつめる冬の昼
1/29 生の気配無機質な枝芽吹く
1/30 三寒の新型肺炎日々迫る
1/31 使い捨てマスクの在庫気にかかる
2019/12/17~12/31
12/17 冬の霧ぼんやりの5億現実に
12/18 重ね着で番組を待つ夜更かな
12/19 クリスマス近づき広げる市内地図
12/20 悴みて変色気づく足の爪
12/21 思いがけず手に取るゆずゆなごむ
12/22 雨上り取りに出て頭上オリオンン座
12/23 霜の声空回りする車輪みる
12/24 慌ただし製菓に紛れ押し出され
12/25 ラメつけて樹氷模す枝りんご吊る
12/26 寒の雨恐る恐るの傷カバー
12/27 すす払い目にして気づかぬ物の出る
12/28 数え日の実感なく晴れ急ぐ道
12/29 賀状書く干支のほかもカラフルな
12/30 ほぼ自家製くちなしの実も取ってくる
12/31 二回目の年越しそば歌番組