朧月夜と春の海

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『鏡リュウジの魔女入門』 1

2003年11月 著者 鏡リュウジ 柏書房

「あなたにもできる「幸せに生きる術」、それが現代の魔女術です。山咲千里(女優・エッセイスト)さんとの特別対談も収録。

プロローグ 僕と魔女との出会い/1 はじまりの魔女/2 魔法円の内で/3 魔法円の外へ/エピローグ 古くてあたらしい月の娘たちに/付録(魔女術ワークショップ/ウイッチクラフト対談-魔女の都(山咲千里鏡リュウジ))」

    おまじないを昨年後半ぐらいからしてみることがあり、だからというわけでもないのですが、読んでみました。子供のころは、おまじないの本は読んだことがあっても、実行するとなるとめんどくさく思ったり、効果があるとは思われなかったり。でも、素朴な願掛けとか、お祈りとかはしてたなあと思いました。不思議なことがあってから、以前よりは何かあるのかなと思っています。参考にしたおまじないの本は分かり易い白魔術の良心的な本でしたが、抵抗手段のない人間のルサンチマンかなと思うこともあります。

〈メモ〉

 イギリスで魔女裁判が最後に行われたのが、1944年で、1735年の制定、1951年に廃止された。

    現代の魔女によると、「キリスト教がヨーロッパに流入してくる以前には石器時代にまでさかのぼれるようなエコロジカルでおだやかな、平和な宗教があり、大地の女神と狩猟の神を崇めるものだった。古い神々を祈る人を魔女とされてしまった」現代の魔女術は「再創造」でもあるそうです。

    悪魔の姿は角のある自然神の姿であり、宗教儀式の際に角のある神の仮面をかぶった姿。この「悪魔」役の祭祀王は、共同体の生命力とみなされ老いると次の候補者が殺すことによって、その職を継承したというのを知り驚きました。抑圧された魔女ですが、歴史の表舞台にも登場しておりウィリアム・ルフス(赤顔王 在位1089-1100)は、死期が予告されており、祭祀王であり、魔女たちの犠牲が行われた日に死亡しています。イギリスでは7年ごとのサイクルで行われ、そういう状況というのは、最近読んだ『エミリー』の本に出てきたダモクレスの物語を思い出しました。「ギリシアの伝説上の人物。シラクサのディオニソス王の臣下であったが、ある時、王にへつらって、あまりにも王の幸福をほめたたえたので、王は宴席で彼を王座に座らせ、頭上に一本の髪の毛で剣をつるして、王位にある者には常に危険が付きまとうことを教えた。」

 1066年のノルマン征服以前は、キリスト教の聖職者でさえも、異教を完全には捨てていなかった。生贄というと、マヤやインカで女の子がいけにえにされたり、日本では人柱にされたりするのが思い浮かびますが、古い王の死体が大地にまかれ、大地の力を復活させる宗教儀式があったというのはそれらと共通したものがあるように思いました。 

 

 感想を書こうとしていて、初めは何とも思ってなかったのですが、「月をおろす」をいうことが気になり、前読んだ日本の歴史のマンガなども思い出したりしたので、少しずつ共通点がありそうなこともメモを書いていこうと思います。