朧月夜と春の海

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『ゴーマニズム宣言 挑戦的平和論』上 下

2005/12 著者 小林よしのり 幻冬舎 

 

「嵐の反響を呼び起こした「ゴー宣EX.」の集大成。上巻は、戦後補償裁判の実相、イラク戦争の真実、慰安婦問題のその後、などを収録する。自ら編集長をつとめる季刊誌『わしズム』掲載等に語り下ろしを加え書籍化。 」

「嵐の反響を呼び起こした「ゴー宣EX.」の集大成。下巻は、天皇論と家族論、挑戦的平和論、韓流純愛ブームとニート、などを収録する。自ら編集長をつとめる季刊誌『わしズム』掲載分に語り下ろし、書き下ろしを加え書籍化。 」

  

 憲法改正について、なにか理解できたらいいと思い読んでみました。

 自分の生きていた時代に起こったことなのに、イラク戦争について何もわかっていなかったと思いました。

 

 戦争を知らないGALたちへ!というディスカッションの中に、1 戦争って結局なんなの?60年前、何で日本は戦争したの?「<戦争>の反対は<平和>だって思ってない?でも、それって間違いなんよ。戦争っていうのは国と国の間の問題を暴力で解決するという手段、テクニックの問題。で、いま天びんの片方にテクニックが載っているとすると、反対側には……。」「口論?」「そうそう」「まじで?ねっ、ねっ?すごくない?ね?」「まったくそのとおりで、天びんの片方のさらには外交交渉や議論、話し合いっていうものが載っているわけ。つまり、<戦争という手段>の反対には、<外交という手段>しかないんだから、戦争を防ぐためには外交術、議論術がものすごく重要になってくる。」「日本に、その力はあるの?」「はたしてあるかどうか...…。いまのところ、ないんじゃないか。」「じゃあさ、平和ってなんなの?」「平和っていうのはテクニックじゃなくて、状態でしょ?秩序が維持された状態で、何も起こらないってこと。つまり、平和の反対は無秩序。たとえばこのまえ、アメリカに巨大なハリケーンが来ただろ?」「カトリーナ!」「-ハリケーンがきてニューオリンズは無法地帯になり、略奪も起きた。他国と戦争をしたなくても、これはもう平和な状態ではないでしょ。この無秩序な状態を元に戻すにはどうすればいいのか。これは警察とか州兵のように暴力・武力を持ってる人間が制圧するしかない。」「看守のいない刑務所みたいな状態ってことだ。」「そうそう。内戦の続いているアフリカの国々なんかも、他国と戦争しているわけじゃないけど、平和ではない。つまり、秩序が保たれて平和なのがいまの日本。これは、国内にむかって警察がいて国外にむかって自衛隊がいるから、アナーキーな状態にならないからなんだな。」ーー「60年前の戦争についてのお話を聞かせていただけますか?」ー「もちろん、いろんな要素が積み重なって戦争になったんだけど、開戦の直接のきっかけは石油。アメリカから石油の輸出をやめると一方的に通告されて、備蓄量があと1年ももたないような状態となった日本には、戦争しか選択肢が残ってなかったんだよ。」「外交で何とかならなかったの?」「当時はいわゆる帝国主義の時代だったから、国と国との関係もいまとはまったくちがう。とくに、白人の国であるヨーロッパやアメリカがアジア諸国をゲームのよう占領していた時代で、そのための戦争自体も、いいと悪いとかの基準すらほとんどなかった。当然、アジアの国々には欧米と対等な外交渉の機会もあまりあたえてもらえない。ー」「約60年前、そんな時代のアジアで、最初に白人と戦ったのが日本だったんだよ。ー」「ーもしあのとき日本が戦ってなければ、アジアではその後、100年間は白人の植民地支配が続いていただろうって言われているほどなんだよ。」「ー学校では教えてくれないけど、そんな事実もあったんだよ、じつは。」

などという事が書かれていました。

 第4章は「イラク戦争の真実」でした。2001年9月11日 同時多発テロ。その前からイラク侵略は既定路線。2003年3月20日、米、英軍、イラク攻撃開始。

でもそれまで、「あのフセインが、「ひどい内容であるが」と断った上で、国連決議を受諾したのである! フセインにとっては、国辱以外の何物でもないギリギリの譲歩だった。」と書かれた箇所もあり、それでも戦争だけは何が何でも避けようと耐え、それでも起こってしまったことなのだとわかり、日本も無関係ではなかったのに遠い国の出来事のように感じていたと思いました。