福井 永平寺 2019/2/23
車窓から明治チョコレートの巨大看板が見えてきました。
始発のJR 大阪7:40発 金沢行 福井9:36着のサンダーバード5号に乗ります。今回は2/24にサンドーム福井で行われる『脊椎がオパールになる頃』のライブに行きます。大阪駅で到着を待っているうちに予約席に列ができている状態だったので座れるかなと思ったのですが、天候も問題なく土曜日の始発だったためかまだ人はまばらで大丈夫でした。
車内放送で名所案内のアナウンスがありました。右、左と景色を眺めます。
湖西線 琵琶湖が見えてきます。 近江八景 比良の暮雪? 冬の北陸の気候が想像がつかなかったので、色々検索して調べます。足元は十分注意して、雪で滑らなないもので暖かくしていったほうがいいかなとか、冬は海の食べ物がおいしいとか。冬の東尋坊の写真は吹雪で視界が遮られ、辿り着くのも大変そうです。この日は永平寺に行きます。『ファンシィダンス』の映画をテレビで見て以来、いつか行ってみたいと思っていた場所です。映画は、一度見た後に何度も見ることはほとんどないのですが、この映画だけは別で、テレビで録画したものを何度も見て、ずいぶん後になってからDVDでも見ました。CMの切れた部分が入ってないのが新鮮で、でも、違和感も感じつつ。村上春樹の小説でレコードのぷつぷつと傷の入った部分も何度もきいてきてその作品の一部になっていたシーンのように、その部分もしみ込んでいたようでした。
福井に到着です。平均的な気候は知らないのですが、思いのほか暖かいようです。バスに乗って永平寺へ行きます。名物ソースカツ丼とおろしそばをお昼にいただきました。会場の様子はどんなかなと検索します。毎日どんな様子かなと感想を読んで楽しんでいました。歩いて永平寺まで行きます。
到着です。映画の撮影されたのは別のお寺と知っていたのですが、随分と違う感じでした。
傘松閣(さんしょうかく)の「絵天井の間」です。
磨きあげられた廊下です。映画では雲水が廊下を雑巾がけしているシーンもありました。今回の旅のお供は『貧乏お嬢様、駆け落ちする』英国王妃の事件ファイルシリーズ10巻と、『ファンシィダンス』の映画のエンディングだったプリンセスプリンセスの``恋に落ちたら‘‘の入った『LOVERS』のアルバムです。どちらもその時の私の気持ちにぴったりの作品でした。ずっとリピートしながら聞きながら歩いていました。
修理中のようでネットの向こうに承陽殿(じょうようでん)があります。
行鉢が始まるようです。映画のシーンが思い浮かんでにんまりします。初めて映画を見たのは永平寺に拝観に来ていた女学生役だった西村知美がまだ随分お姉さんに見えていたころで、あれから年月が経ったけれど、やっぱり今もそんな感じが残ってて映画の中の登場人物は遥かな憧れという気もします。承陽殿は道元禅師を奉祀する御真廟で、その前にある香炉です。
法堂です。庭に少し雪が残っていました。今回持って行った本より先に読んだ『貧乏お嬢様 イタリアへ』(事件ファイル11 ジョージーはイタリアへ渡り、そこで王妃さまから与えられた任務をさっさと果たして、出産間際の親友のもとへ駆けつける……はずだった。ところが、各国の要人が集まる大豪邸で殺人事件に巻きこまれ、足止めされてしまい……!?)では、主人公のジョージーが、最後のほうの場面でヒトラーが台頭してきたころのドイツ軍の青年に純情な恋心なのかハニートラップなのか結局よくわからないままに迫られる場面があるのですが、ジョージーは普通の人間の良さを持ったお嬢様なのでその時に「相手のことをよく知って好きになってからじゃないと、そういうことは女性は嫌がるのよ。」というようなことを伝えるのですが、なんていうかそういう当たり前のことがないがしろにされているのではないかと思うこともあり、特にテレビやメディアでは、疑似的に体験してそのつもりになっても、あるいはそういう感情を利用している面もあるのかもしれないけれど、それは大事であることは変わらないというような。
中雀門が見えます。 大庫院の巨大な擂粉木です。
『LOVERS』のアルバムも、随分後になってから何年か前に気になって探して聞き始め、``恋に落ちたら‘‘の歌詞の内容は当時は自分自身にはぴんと来ないままに好きな曲だったけれど現在は、アルバムを通して聞いて理想の部分もあるけれど、不恋手術でも受けたのかなと思うような長年凍結したままの私の恋心が解凍されたかのように聞いていました。
私がその人を知っているのはわかるけれど、どうしてその人が私のことを知っているのか理解できない状況のなかで、あとからとんでもない幸せで全てが帳消しになったとしても、だけどやっぱりそんなことはしてはいけなかったし、なければ良かったと思う。そうではない現実が選べたら私はそちらを選ぶとおもう。
私のリアルなジョージ-の年頃は茨木のり子の『わたしが一番きれいだったとき』が近くて、よくわからない何かから誰かから捕まらないように見つからないように必死で逃げ回っていたような気がする。
時間は戻らないから、嘆いたところで仕方のない私個人のカルマやダルマみたいなもので死んでからわかることなのかもしれないけれど。
映画のなかで見た時を知らせたりする合図の木槌があったりして、薄くなった文字に今も受け継がれて使われているものだろうかと思ったりします。
お土産売場では永平寺のお線香が売られています。瓦の修復の寄付を受け付けています。冬は雪深い場所なので重みで傷むそうです。
やはり今年のこの季節は例年になく暖かいのかもしれません。このところ、お寺にいったときに線香を買う機会があれば購入しているですが、宗派によってそれらしい匂いであるなと思いました。
竜門です。
参詣を終えてバス停まで戻ると、今夜の宿泊予定の東尋坊まで乗ります。
途中でバスの車窓から丸岡城が見えました。
平成最後の米騒動とか、ライブの長い長い物販の列の様子なども気にして時々チェックします。
部屋に入ります。日本海が一望でき、刻々と色が変わる晴れた空と海が美しいです。
夕食は越前がにも食べられてバイキングも楽しめるプランです。なんだかカニとは私のよくわからないところでわだかまりのようなものがあるのかもしれませんが、冬の越前にきてカニを食べずに帰るのはいけないだろうと美味しく頂きました。地酒もと梅酒を頼んだのですが蟹とは違う感じだったのでビールも頼みます。普段はほとんどお酒は飲まないのですが、旅に出たときぐらいはと飲む感じです。温泉にも入り寛ぎます。
明日は会場にプレゼントボックスがあるそうで手紙を渡そうとレターセットを持ってきているのです。頭のなかでは既に何度も書いているのですか、書いてこれずまだなのです。明日に迫り、場所や建物とは関係のない睡眠妨害がきつい日でごろごろしながらなかなか寝付けない夜でした。