朧月夜と春の海

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『お母さんをえらぶ赤ちゃん ママ、またボクを生んでくれる?』

 2004/01/21   作者: ジョナサン・ケイナー,竹内克明     出版社/メーカー: 説話社   

『「ママ、私はここに来る前にお空にいたの。何人かのお母さんの候補者を見せられて、ママを選んだの」イギリスの女の子のこんなひと言から、ある人気サイトに「お母さんを選ぶ赤ちゃん」というコーナーが作られました。そして、世界中から同じような体験が続々と寄せられました。このサイトのオーナーは、本の編者でもあります、英国の世界的な人気占い師ジョナサン・ケイナーです。サイトの「赤ちゃんがお母さんを選ぶ」は、子育てに疲れたママや、中絶や不妊で子どもが産めなかったり持てなかった女性、そして、親子関係に悩んでいる人といった、さまざまな立場の人たちの心を支え続けてきました。そして、本になってさらにパワーアップ。珠玉のエピソードを選りすぐり、岡部哲郎さんの心あたたまるイラストがプラスされて、手許にずっと置いておきたくなる本、お母さんになる人に贈りたくなる本、となりました。この本には、生まれる前の赤ちゃんが夢で家族に連絡をしてきた話や、亡くなった親族が新しい命として再び家族になる話、不妊治療を受けても妊娠できなかった女性が「子供がお母さんを選ぶ」と思い直したら、赤ちゃんを授かった話など、子供との不思議な関係を示す話がたくさん載せられています。そして、ときどき涙があふれてとまらなくなるような、けれどさりげないエピソードも紹介されています。親子関係が難しいこんな世の中だからこそ、自信をもって世に送り出したい1冊。ぜひ、親子の絆の不思議さにふれてほしいと思います。』 

 本を選ぶのは、時々辻占のようだなと思います。この本は、今年になってからしばらく前に読みましたが、そういう風に思った本の一つでした。両親を選んで生まれてきたんだという考え方は、雑誌か何かで、もうずいぶん昔に読んだときになんだかいろいろ思って、じゃあ仕方がないなあというようなことを感じたようにも思いますが、今の時代を日本に生きているからか、特に今に丁度と思ったのかもしれません。

 エピソードの一つに、生理痛のとてもひどいとき、でもすることしなくてはいけないことがたくさんあるお母さんが、無理して頑張ろうとしていたら、「ママ、頑張りすぎないで」と卵さんからのメッセージが聞こえたというのがありました。それを読んだときは、たくさんの話の中の一つだったのだけれど、もっと私が年若かったら母体の立場では、そもそも考えられないし、思うこともなかったかもしれないけれど、お母さんの立場が、どうであれ、何を考えていようが、思っていようが、母親であろうが、シングルであろうが、卵さんの方は、ずっとずっとすごーく大事に思ってくれているんだなあと、どんな人間であれ、そんなに大事に思ってくれるのは、ほかにいないんじゃないのかなあと思ったら、なんだか泣けてきたのでした。

 別のエピソードでは、「お母さんは生まれる前、地獄にいたんだよ。でも心配しないで。大丈夫。ほんのちょっと角を曲がったところくらいだから。」というようなお話を子供がしてくれた話が載っていて、腹を立てたふうでも、悲しんだようでもなく書かれていたのがなんだかおおらかでおかしかったです。きっとこの人は、いいこともしなければ悪いこともしなかった煉獄に行った人でもなく、人生の酸いも甘いも噛み分けたような精神的にタフな感じの人なのかなあと想像してみたのでした。

なんだか人生って・・・、とめげそうになるときもありますが、本っていうのは、こういう時ありがたいなあとも思います。