2020/1/16~1/31
1/16 冷凍庫出された干し柿冬の夕
1/17 白い星空き地を埋める野水仙
1/18 何度目の当落確認寒の内
1/19 来月の予定大波続く冬
1/20 大寒や落ちこみ誘う気のゆるみ
1/21 星冴ゆる国境超えて響く歌
1/22 切干や前より細く切られたり
1/23 裏側の大火事つながる暖冬
1/24 湯たんぽの水コポコポと夜が更ける
1/25 錆びついた文法リスト入れる本
1/26 柑橘の姿をかえて巡る味
1/27 ニョロニョロの集まりそうな春の雷
1/28 はね散ってじっとみつめる冬の昼
1/29 生の気配無機質な枝芽吹く
1/30 三寒の新型肺炎日々迫る
1/31 使い捨てマスクの在庫気にかかる
2019/12/17~12/31
12/17 冬の霧ぼんやりの5億現実に
12/18 重ね着で番組を待つ夜更かな
12/19 クリスマス近づき広げる市内地図
12/20 悴みて変色気づく足の爪
12/21 思いがけず手に取るゆずゆなごむ
12/22 雨上り取りに出て頭上オリオンン座
12/23 霜の声空回りする車輪みる
12/24 慌ただし製菓に紛れ押し出され
12/25 ラメつけて樹氷模す枝りんご吊る
12/26 寒の雨恐る恐るの傷カバー
12/27 すす払い目にして気づかぬ物の出る
12/28 数え日の実感なく晴れ急ぐ道
12/29 賀状書く干支のほかもカラフルな
12/30 ほぼ自家製くちなしの実も取ってくる
12/31 二回目の年越しそば歌番組
2019/12/1~12/15
12/1 催しの列かき分けて冬ぬくし
12/2 白と赤特別になる冬苺
12/3 レベル1で努力追いかける師走
12/4 緑茶入れ湯飲みをつつむ寒さかな
12/5 ふくらすずめ並び不動の金の柵
12/6 湯気越しのイルミネーション冬めける
12/7 カーペット座り視聴のライブかな
12/8 箱のまま時止めて飾る小六月
12/9 めんどがり下に埋もれるひび薬
12/10 筋になり足を速める冬の夕
12/11 todoの先送り続く年の内
12/12 クリスマスギフト会う復刻絵本
12/13 クルクルと今年の漢字占となる
12/14 マフラー巻き直すスマホ青光り
12/15 鎮まったスノードームのような空
12/16 蜜柑剥き皮も集めて風晒す
2019/11/16~11/30
11/16 小春日のイベント渋滞どこまでも
11/17 冬うらら記憶重ねる三回忌
11/18 ストーブの炎がついて猫がいる
11/19 レンチンの銀杏取り出す翡翠かな
11/20 日短や気温と夕日落ちていく
11/21 身にしむやほぐされようと戸を叩く
11/22 手袋の神出鬼没の激しさ
11/23 鶺鴒ののんびり歩く車窓前
11/24 核なき世界静聴する人時雨つつ
11/25 妙なるか中途半端か薄紅葉
11/26 遠くまで見通せる山もみいづる
11/27 スクリーン自由自在の六花
11/28 落選の確認続く冬の暮
11/29 日が沈む畑の隅の黄金草
11/30 やわらかい色でほころぶ冬の薔薇
2019/11/1~11/15
11/1 申込み場所決めかねる星月夜
11/2 道避けて畔に残る草の花
11/3 今日までのまなざし残る美術展
11/4 新生姜健康食品薄紅に
11/5 校舎窓万遍なく朱秋夕焼
11/6 片隅の余る小菊も先続く
11/7 電子マネーおそれ距離置く空高し
11/8 周辺の光を束ね石蕗の花
11/9 土根性三本揺れる花芒
11/10 11月祝賀パレード晴れた空
11/11 雨具置き明るい空の冬の月
11/12 下に着こむ現代版の皮衣
11/13 冬灯し鼻にできもの湯につかる
11/14 まだ明るい気になる確認冬浅し
11/15 診察券浅瀬まぶしい秋の水
2019/10/16~10/31
10/16 破れ蓮ど忘れして時間過ぐ
10/17 容量の目盛りはどこか夜食とる
10/18 秋霖やまとまらぬまま準備する
10/19 秋の浪アンテナ気にして検索
10/20 秋気澄むお堀に映る長い列
10/21 金木犀色あせて待つ旅の道
10/22 秋燈十二単の髪飾り
10/23 晩秋やあたりまえにあるカボチャ型
10/24 柚子坊を見たと聞く場所立ち止まる
10/25 秋遍路雨の木陰すれ違う
10/26 今年も遅い金木犀の香かすかに
10/27 盛るだけでカラフルになる秋果実
10/28 秋晴るるかつて通い慣れた路地
10/29 曇り空取ってしまう朝顔の実
10/30 姿消す三毛猫の行方秋暮るる
10/31 秋の果途方に暮れる首里の火事
2019/10/1~10/15
10/1 PCの引越し試みる残暑
10/2 よく見れば凝った作りの藤袴
10/3 秋の雨今日こそはと急ぐ朝
10/4 池に出て開ける視界秋夕焼
10/5 下り坂遮るものなくさやけし
10/6 人増えてたかはりの列短し
10/7 秋祭動画にして待つ神輿
10/8 長月の消化しきれぬ日々流る
10/9 失敗を引き摺りなしを剥く夕餉
10/10 チョイチョイと柿のヘタにアルコール
10/11 大阪の時代小説夜半の秋
10/12 慢性化台風それて肌寒し
10/13 闇紛れ前を見れば月光る
10/14 群れなして紅葉且つ散る車道かな
10/15 感想を聞いて選んだ青蜜柑
2019/8/1~8/15
8/1 そういうこともあるかもとCM過剰と思いつつ観る天気
8/2 見比べる美肌効果の証明写真
8/3 タバコ詰め窓際収まる夏の夜
8/4 江戸っ子と麦茶飲み待つ御朱印
8/5 朝のうち忠霊塔と夏の富士
8/6 夏冨士や風吹き抜ける露天風呂
8/7 夏バテと渋滞スリルの後遺症
8/8 安堵してたてる8月予定表
8/9 旅戻り残り最後の桃齧る
8/10 夏の日や埃を払う免許証
8/11 夏祭りイベント会場の歓声
8/12 高台の違う角度の夏景色
8/13 天気図と無心で食す枝豆
8/14 台風前根元の近い大虹
8/15 台風の目濁流飛ぶペットボトル
2019/7/16~7/31
7/16 扇風機はやりの棚は携帯用
7/17 曇り空部分月食風死せり
7/18 入眠時冷房の冷えしん残る
7/19 夏草の刈られる川沿い早歩き
7/20 出来たてに用事をおいて鰻喰う
7/21 梅雨曇り歩き思案し票投ず
7/22 汗拭ひ爪に一つの白い点
7/23 きらきらの増えていく川秋茜
7/24 梅雨明けに違って見える光かな
7/25 日に沈むエゴン・シーレの日車
7/26 カメラ越し黄昏透かすねぶの花
7/27 草いきれ夜市へ向かう家族連れ
7/28 昨年の夏思いだし書く夏日
7/29 手書きする書き順怪し夏深し
7/30 準備する輪越しの人形乗りきるか
7/31 夏の夜物質化せぬ手紙書く
2019/7/1~7/15
7/1 水草咲く猫の覗く水槽
7/2 朝顔の正午いまだに青々と
7/3 夏の潮流れの変わるタイミング
シズル感?自然に魅入る劇場版
7/4 携帯の雨具不要に手をかざす
7/5 鴨が葱降ろす日の緊張梅雨時
梅雨晴れ間芝生に点在けるきのこ
7/6 夏帽子思いを馳せる富士の峯
7/7 短冊に足止める人街の笹
7/8 大雨を撥ね返す鬼百合の花
7/9 西日照る虹が出そうと外に出る
7/10 納豆の日の雨イチゴショートかな
7/11 笹ユリの咲く朝山の風思う
7/12 音もなく簾クマゼミ目前に
7/13 鉢に添い円形になるトクサかな
7/14 折り紙を膨らませたよう桔梗咲く
7/15 色彩と死者と共存する街へめでたし見届け暗幕を出る