朧月夜と春の海

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『アリスの悩み』

1996年6月15日  著者 フィリス=R=ネイラー  講談社 青い鳥文庫

「アリスは12歳で、楽器店の店長をしているパパと、大学生の兄・レスターの3人家族の紅一点。年ごろのアリスの興味は、唇につけるリップ・グロスや下着の選びかた、BFとのデート方法だ。そして、なによりも必要なのは、それらのことを教えてくれる“ママ”の代わりになる女性だ。そんなアリスの前に、タイプのちがうふたりの女性教師が現れて…。小学上級から。」

 私がこの本を読んだのは、二十歳も過ぎてからだったけれど、でも読めてよかったと思います。人間も、蝶が卵から幼虫になってさなぎになって成虫になるように、はっきりとした形の変化がなくても、変わりながら成長しているとしたら、大人よりも鋭い観察力や洞察力を備えていたとしても、大人ではない、かといって、もう小さい子供でもない、変化と成長の著しい時期の話です。アリスが、自分自身の頭と心と、行動で、試行錯誤しながら日々を過ごしています。

 自分自身が、現実に12歳だった頃、この本がそばにあればもっと良かったかもしれないなとも思います。困ったな、でもちょっと聞けないな。とか、信頼できる人に相談したいな、でも誰にすればいいのかなということがあったとき、何かヒントになることがあるように思います。

 

 この本の英語版に、そのうち挑戦するつもりです。